ブルネイ旅を終え、深夜のスカルノハッタ国際空港に到着。現在は主要国際線がターミナル3に集約される一方、エアアジアなど一部はターミナル2に到着し、そのまま入国手続きが可能です。本記事では、懐かしさ漂うT2の雰囲気、深夜の静かな入国審査、終電前のスカイトレインでT3へ移動するリアルな流れ、深夜の乗り継ぎの注意点、空港の最新運用事情を詳しく紹介します。
定刻22時55分、ほぼ定刻通りに着陸しました。エアアジアQZ529便は、ターミナル2(T2)に到着します。
現在のスカルノハッタ国際空港は、主要国際線が新しいターミナル3(T3)に集約されているため、「ジャカルタ空港 = T3」という印象が一般的です。しかし、エアアジアやバティックエアなど一部の航空会社は依然としてT2を使用しており、国際線到着から直接T2で入国するケースも残っています。
機内を出て搭乗橋を渡り、ターミナルビルに入ります。深夜の静かな空港に降り立ち、「Kedatangan Internasional(国際線到着)」の表示に従って進みました。
T2は改修が行われていない箇所も多く、照明や壁の質感からも時代を感じさせます。しかし、動線はシンプルで迷うことはありません。
かつてはJALやANAの国際線がT2に到着していた時代があり、日本人にとっては馴染み深いターミナルでした。しかし、T3が完成し、主要航空会社が移転したことで、この古き良き空間は旅人の記憶からやや薄れつつあります。
ただ、久しぶりに訪れると、不便さや古さよりも、どこか懐かしさの方が強く感じられました。
到着ゲートを抜けると、入国審査ブースが並んでいます。T3に導入されているような自動化ゲートはなく、手動でのパスポートチェックが行われています。
深夜帯の入国審査は多少時間がかかりますが、T2の国際線到着便は限られているため、人の波に飲まれることはなく、パスポートにスタンプを押してもらい、
比較的スムーズに入国が完了しました。
入国審査を終え、荷物受取エリアに向かいます。手荷物だけなので、そのままAll IndonesiaのQRコードで税関検査をスムーズに通過できました。
到着ロビーに出ると、深夜のT2は静かです。タクシーの呼び込みもほとんどなく、落ち着いた雰囲気が漂っています。
今回の旅程では、ブルネイからジャカルタへ戻った後、深夜2時発のガルーダ・インドネシア便でマカッサルへ移動する必要があります。
そして、最も重要なのは、スカイトレインに間に合うことです。
理由はシンプルで、深夜0時前後になると運行が終了してしまうためです。23時台のうちに乗り継ぎを完了させなければ、ターミナル間移動がシャトルバスに切り替わる可能性があり、特に深夜帯では待ち時間が長くなりやすく、移動のストレスが増えてしまいます。
時計を見ると、23時15分。まだ間に合います。急いでスカイトレインの駅を目指しました。
T2の到着ロビーから、スカイトレインの案内表示に従って進みます。エスカレーターを上がり、廊下を歩き、駅のホームに到着しました。
幸い、まだスカイトレインは運行していました。ガラス張りのホームにはほとんど乗客がおらず、深夜の空港特有の静けさが漂っています。ホームに立ち、周囲を見渡します。私以外には、2〜3人の乗客がいるだけです。照明は明るく、清潔なホームですが、人の気配が少ないため、少し不思議な感覚になります。
数分待つと、スカイトレインが到着しました。
車内も静かです。座席に座り、窓の外を眺めます。スカイトレインはゆっくりと動き出し、T2の駅を離れます。
高架を走るスカイトレインからは、空港の全景が見えます。滑走路、ターミナル、駐機場。夜の空港は、昼間とは全く違う表情を見せてくれます。
滑走路の照明が一列に並び、遠くには離着陸する飛行機の光が見えます。車窓から見える景色は、まるで都市の夜景のように美しく、短い移動ながらも旅情を感じさせてくれます。
数分で、T3に到着しました。
エスカレーターを上がると、広大な吹き抜け空間が目に飛び込んできました。近代的なデザインの天井と明るく照らされた床は、深夜とは思えないほど洗練された雰囲気を醸し出しています。
昼間のT3は乗客で賑わっていますが、深夜の時間帯は人も少なく、巨大空間を独り占めしているような不思議な感覚になります。
空港内には24時間営業のカフェやコンビニが点在しており、深夜でも食事や休憩には困りません。国内線出発エリアへ向かう途中、ガラス張りの店舗や照明に照らされた床が目に入り、まるで深夜のショッピングモールを歩いているような気分になります。
T3は実用性だけでなく、空間デザインの魅力も併せ持っている点が印象的です。
スカルノハッタ国際空港は、ターミナル2とターミナル3という異なる魅力を持つ空間を併せ持つ空港です。
古さと懐かしさが漂うT2で静かに入国し、近代的で広大なT3へスカイトレインで移動する深夜の体験は、ただの乗り継ぎ以上の意味を持っていました。
旅の終わりを受け入れながら、次のフライトへ向かう準備を整え、静かな深夜の空港を歩く時間は、不思議と心を落ち着かせてくれます。
ブルネイで過ごした週末旅行を振り返りながら、私はゆっくりと国内線ゲートへ向かいました。