ラブアンバジョ滞在2日目、ランコ洞窟で人生初の洞窟スイムを満喫した後、せっかくなので、もう一箇所気になっていたスポットへ立ち寄ることにしました。それが「バトゥチェルミンケーブ(Batu Cermin Cave/ミラーストーンケーブ)」です。神秘的な洞窟探検の余韻そのままに、今度は「岩が鏡のように輝く」というラブアンバジョの不思議なスポットへ向かいます。
ランコ洞窟を後にし、再びレンタカーでラブアンバジョ市内方面へ戻ります。次の目的地「バトゥチェルミンケーブ」は、街の中心部からわずか15分ほどの距離。朝から洞窟続きですが、せっかくなので、もうひとつ違ったタイプの自然を体験することにしました。
バトゥチェルミンは、インドネシア語で「鏡の石」という意味。洞窟内の岩肌が、太陽の光を反射し、まるで鏡のように輝くことから、その名が付けられたそうです。
観光地化が進みつつあるとはいえ、バトゥチェルミン周辺はまだ自然が色濃く残っています。駐車場に車を停めると、整備されたカフェや売店があり、ラブアンバジョ観光に力を入れている様子が伺えます。
目の前には木々が生い茂る整備された小道が続き、アクセスしやすく、きれいな環境が整っていました。
入場料は1人50,000ルピア。コモド国立公園やランコ洞窟と比べても市内からのアクセスが良く、気軽に立ち寄れるスポットなので、短時間で楽しめるのも魅力です。
しばらく森の中を歩くと、石灰岩の山肌にぽっかりと空いた洞窟の入口が見えてきます。内部はかなり狭い場所も多く、足元も滑りやすいため、動きやすい服装がおすすめです。
中へ入ると、独特のひんやりとした空気と、湿った岩肌の匂いが漂ってきます。ランコ洞窟よりも乾燥していて、鍾乳石よりも岩壁の存在感が際立つ空間。狭い通路を進み、いよいよ洞窟最大の見どころへと向かいます。
バトゥチェルミンの名の由来は、特定の時間帯に差し込む太陽光が、洞窟内の岩肌に反射し、まるで鏡のように輝くことから来ているのだそうです。
実際、私たちが訪れたタイミングでも、洞窟奥の岩壁がほんのりと光り、湿った部分がガラスのようにツヤツヤと輝いて見えました。幻想的というより、不思議な現象を目の当たりにしたような感覚です。
特に、岩に含まれるミネラル成分と光の角度、湿度が絶妙に組み合わさることで、この「鏡の石」が生まれるのだそう。自然の力の面白さを改めて感じさせてくれる場所でした。
驚いたのは、この一帯がかつて海の底だったという話。岩肌には、貝の化石や珊瑚の跡がそのまま残っていて、地殻変動によって海底が隆起し、今のような洞窟ができたのだそうです。
ランコ洞窟もそうですが、ラブアンバジョ周辺は大地の歴史を感じるスポットが本当に多い場所。コモドドラゴンや青の洞窟だけでなく、こうした地質学的な魅力が詰まっていることに、改めて気づかされました。
午前中はランコ洞窟、午後はバトゥチェルミンと、気づけば洞窟巡りの一日。でも、それぞれまったく異なる雰囲気で、飽きることはありませんでした。
バトゥチェルミンケーブは派手さこそないものの、ラブアンバジョの自然や地質の魅力を知るにはぴったりのスポット。岩と光が織りなす自然現象と、大地の歴史を間近で感じられる場所です。
短時間でサクッと回れるので、ラブアンバジョ観光の合間にもおすすめのスポットです。