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マカッサルの沖合に広がる無数の小島の中でも、ひときわ美しい白砂のビーチと透き通る海を誇るのが「パナンブンガン島(Pulau Panambungan)」です。市内からわずか20kmほどの距離にありながら、まるで別世界に迷い込んだかのような静けさと癒しを味わえる無人島。今回は、そんなパナンブンガン島へのアクセス方法や、島の成り立ち、そして実際に訪れた体験を詳しく紹介します。
マカッサル市内からパナンブンガン島へ向かうには、フォートロッテルダムの向かいにある桟橋からチャーター船に乗ります。スイスベルマカッサルから歩いて数分で到着できる場所なので便利です。
チャーターは大きく2種類。
スピードボート:料金は1.5ジュタ(約1万5000円)、所要時間は約30分。
通常の船:料金は50万ルピア(約5000円)、所要時間は約1時間半。
スピード重視か価格重視かで選べますが、今回はスピードボートを利用しました。時速40kmのスピードで、青く輝く海を滑るように進んでいきます。
出発した日は天候にも恵まれ、空にはほどよい雲が広がって太陽の光を和らげてくれました。波もほとんどなく、船は揺れも少なく快適。風を切るスピード感と、視界いっぱいに広がるマカッサル海峡の青さに、出発してからわずか数分で旅気分が一気に高まります。
街並みが遠ざかり、水平線の先に小さな島影が見えてくると、胸の高鳴りを抑えられません。約30分のクルーズはあっという間に感じられました。
パナンブンガン島は周囲わずか数百メートルほどの小島で、歩いて一周しても10分程度しかかからないコンパクトな島です。大きさこそ小さいですが、その魅力は凝縮されています。白い砂浜がぐるりと島を囲み、中央は木々が生い茂り、自然のままの姿を保っています。
この島はサンゴ礁が長い年月をかけて隆起し、波や潮流によって削られ、白砂が堆積することで形成された「隆起サンゴ礁島」です。インドネシアにはこのような島が多く点在していますが、ここパナンブンガン島は特にアクセスが良く、かつ手入れが行き届いているため、訪れる人々にとって格別の魅力を放っています。
島は大手セメント会社BOSOWAによって管理されており、無人島でありながらゴミ一つなく清掃が行き届き、安心して滞在できる環境が保たれています。
やがて目の前に現れるのは、白い砂浜に囲まれた小さな島。豊かな緑に覆われ、周囲はエメラルドブルーの海。到着したのは朝早い時間で、管理人以外は誰もおらず、まさに「秘境の無人島」に最初に足を踏み入れることができました。
浜辺に立つと、砂は細かくサラサラで、裸足で歩けばひんやりと心地よい感触が足裏を伝わります。海岸線の外側は遠浅のサンゴ礁が広がり、波が砕ける場所には自然の防波堤のように白い水しぶきが立ち上ります。
上陸してすぐ、持参したビールを開けて乾杯。波の音をBGMにしながら、白砂のビーチに腰を下ろしてゆったりと過ごす時間は、何にも代えがたい贅沢です。観光客でにぎわうビーチリゾートとは違い、この島では「何もしないこと」こそが至福の体験になります。
浜辺を歩けば、足元にはパウダー状の砂が広がり、森の木陰に入れば涼しい風が頬を撫でていきます。椰子の木や松のような木々の間から差し込む木漏れ日が心地よく、木陰で昼寝をするのにも最適です。まさに自分だけのプライベートアイランドです。
この島の周囲に広がるサンゴ礁は、多様な海洋生物のすみかとなっています。透明度の高い海の中には、カラフルな熱帯魚や小さな甲殻類が暮らしており、干潮時には浅瀬でその姿を間近に観察することができます。また、海鳥たちが島を休息の場として利用しているため、時折群れをなして飛び立つ姿も見られます。
サンゴ礁の隆起によってできた島は波に対して強く、また砂が流れにくいため、安定して美しいビーチを保つことができるのも特徴です。
パナンブンガン島の魅力は、何といってもその透き通る海。今回は上陸までの道のりと島の雰囲気を紹介しましたが、次回は実際に海に潜って体験したシュノーケリングの様子をレポートします。色とりどりの魚や生き生きとしたサンゴ礁が待っています。楽しみです。