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【海に浮かぶ絶景モスク】マカッサル名物「99ドームモスク」

マカッサルの名所「99ドームモスク」は、神の99の美名を象徴する壮麗なモスクです。ロサリビーチから船でアクセスでき、まるで海に浮かんでいるかのようなその姿は、訪れる人の息をのむ美しさを誇ります。CPI埋立地に建設された神聖で近未来的な内部空間を詳しくご紹介します。

99ドームモスクとは

南スラウェシ州マカッサルのウォーターフロント再開発地帯に、ひときわ異彩を放つモスクがあります。その名も「Masjid Kubah 99 Asmaul Husna(99ドームモスク)」。まるで中東の伝統と未来都市の要素が融合したようなこのモスクは、海に囲まれた人工島の上に建てられており、まさに“海に浮かぶ祈りの宮殿”です。

2023年8月20日、南スラウェシ州知事アンディ・スディルマン・スライマン氏によって正式に開堂されました。

名前に込められた意味

モスクの正式名称「Masjid Kubah 99 Asmaul Husna」は、イスラム教における神(アッラー)の99の美名「Asmaul Husna(アスマウル・フスナ)」に由来しています。これらの美名は、慈悲、公正、知恵など、神のさまざまな属性を表しており、モスクに配された大小99のドームがそれらを視覚的に象徴しています。

メインドームを囲むように立ち並ぶカラフルなドーム群は、遠目にも圧倒的な存在感を放ち、マカッサルの新たなランドマークとして人々を惹きつけています。

建築の背景と構想——海を埋め立てて生まれた神聖な空間

このモスクが建てられたのは、もともとロサリビーチ(Pantai Losari)の沖合に広がっていた海域です。インドネシア政府は都市拡張計画の一環として「Center Point of Indonesia(CPI)」という大規模な埋立プロジェクトを推進し、その中心的な象徴としてこのモスクの建設が決まりました。

設計を手がけたのは、インドネシア人建築家リザル・ムスリミン氏。彼はこのモスクに神聖性、近代性、そして地域文化の要素を融合させることを目指しました。伝統的なイスラム建築の美学に加え、マカッサルの海洋文化やスラウェシの民族的な意匠も巧みに取り入れられています。

ロサリビーチから船で渡る特別な体験

このモスクには陸路(CPIの幹線道路を通じて)で行くこともできますが、もっともおすすめしたいのは海からのアクセスです。ロサリビーチの小さな桟橋から観光用のボートや小舟に乗り、モスク前の波止場へ直接渡ることができます。

船でのアクセスの魅力は、海上から眺める99のドームはまさに絵画のような絶景です。

夕暮れ時のサンセットクルーズと組み合わせれば、ドームが金色に染まり感動的な景色に、水面に映るモスクの姿は、写真愛好家の間でも密かな撮影スポット

この「海から祈りの場所へ向かう」という行為そのものが、精神的にも特別な巡礼のような体験となります。

外観デザインの見どころ——幾何学美と色彩の融合

建物全体は、赤レンガ調の外壁と白いアーチのコントラストが印象的。ドームはオレンジ、黄色、白を基調とした幾何学パターンで彩られ、まるで伝統織物スンバタナを思わせる美しさです。

入り口には巨大な鋼鉄製のアーチが構え、訪れる人々を迎え入れます。そのアーチをくぐって大階段を登る体験は、まるで心身を清めていくかのような静謐な導入として機能します。

内部空間——天井から降り注ぐ光と祈り

内部に入ると、広大な礼拝ホールが広がっています。特に目を引くのは天井構造。星型の幾何学模様を中心に、青・黄・白の色彩が放射状に広がるデザインは、光を反射しながら荘厳な雰囲気を醸し出します。まるで天と地が交差するような空間が、訪れる者の心を静めてくれます。

大理石の床は美しく磨き上げられており、参拝者の姿が鏡のように映り込むその様子は、幻想的な美しさを演出しています。

中央のミフラーブには礼拝時間を表示するデジタルモニターも設置されており、伝統的な装飾と現代的な機能性が融合しています。

マカッサルに訪れたら必ず行きたい“祈りの聖地”

このモスクは、建築物としての芸術性と、公共の祈りの場としての開かれた精神性をあわせ持つ特別な存在です。

イスラム建築や宗教空間に興味のある方はもちろん、マカッサルの現代都市計画に触れてみたい方にも強くおすすめできます。

金曜礼拝や宗教的なイベントの場であるだけでなく、観光客の受け入れにも積極的で、信仰と文化が自然に交差するモスクとして国内外から注目を集めています。

📌 基本情報・アクセスまとめ

名称:Masjid Kubah 99 Asmaul Husna(99ドームモスク)

場所:CPI地区(Center Point of Indonesia)、マカッサル市

アクセス方法:

徒歩・車:マカッサル中心部からCPI地区へ約15分

船:ロサリビーチの桟橋からボートで約10分

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。